記事・レポート お役立ち エコカー用語 CD値(空気抵抗係数)

CD値(空気抵抗係数)

Text :
CD値(空気抵抗係数)

「CD値」のCDとは「Constant Drag」のことで、どのくらいスムーズに空気が流れるかという空気抵抗係数を表す。

CD値はあくまで「係数」であるから常に一定であり、速度には左右されない。

空気抵抗の大きさは、このCD値に前面投影面積(自動車を真正面から見たときの絶対的な面積)を掛けたものとなる。

よって、たとえCD値が小さくても、前面投影面積の大きい大柄な車種の場合は空気抵抗が大きくなり、逆にCDが少々大きくても、軽自動車のように小さなボディの場合は、空気抵抗は小さくなるといえる。

さらに、空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなるという特性を持っている。

これら、CD値、前面投影面積、速度という3つの要素は、燃料消費や高速走行時の加速性能に大きく影響を及ぼす。

CD値は、ボディ形状がスポーツカーのような流線型のほうが有利で、ボディ後端についても、切り落としたような形状よりも、なだらかに下がっているほうが好ましい。

もっとも不利なのはワンボックスである。これと前面投影面積を考え合わせると、空気抵抗については、小型のスポーツカーが有利で、大型トラックが不利ということになる。

CD値とともに考えなければならないのが、CL値(ConstantLift)=揚力係数である。

CDとCLは相反する要素で、CDを下げればCLが上がり、逆にCLを下げればCDが上がる傾向となる。

とくに高性能を追求したスポーツカーの場合、タイヤのグリップ力を高めるため、CL値を減少させるために、ある程度CD値を犠牲にすることもある。

これを「ダウンフォースを稼ぐ」などと表現するが、実際にはダウンフォース=マイナスリフトとなっている例はごくわずかで、単にリフト低減にとどまるものがほとんどである。

CD値は、スポーツカーやセダンでは、0.30を切ればかなりよいほうで、現時点では究極の燃費を追求したプリウスでは0.25となっている。

一方のトラックやバスでも、最近では0.50を切るモデルも出始めている。

逆に、F1マシンでは、強力なダウンフォースを獲得する反面、CD値は0.50前後となっている。

空気抵抗は、燃費や高速走行時の加速性能などに少なからず影響を与えるため、各メーカーともCD値を下げるための努力をしている。

空力性能を追求すると、どうしても似通ったデザインになってくるのは、致し方ないところである。

速度を上げると、空気抵抗は80km/hあたりから急激に大きくなり、もちろん燃費も悪化する。

CD値やCL値を、個人レベルでどうこうするのは難しく、エアロパーツの装着の有無以外にはない。ただし、極端に太いタイヤを履くことは、転がり抵抗だけでなくCD値も悪化させて燃費が悪化するし、キャリアなどの装着によってもCD値は確実にダウンし、強いては燃費を悪化させてしまう。

不必要な場合は、できるだけ装着を控えたほうがよい。

あるいは、パトカーの赤色灯が、以前は単純な形状だったが、今ではエアロフォルムとなっているのは、空力性能を追求してのことである。

CD値やCL値について、自動車メーカーでは、まずスーパーコンピュータで解析をして検討し、さらに、5~6分の1スケールのモデルで風洞実験を行ない、最終的には原寸大モデルで風洞実験を行ない、それを公表値とするという。

気象状況や風洞の特性によって、完全にメーカーによってイコールコンディションとは言い切れないが、適切な補正を加えることが可能となり、最近ではバラつきが少なくなってきたといわれている。

エコ的観点からも、空気抵抗の低減は非常に重要なことに違いない。

CD値は、そのカギを握る重要なファクターである。今後ますます重要視されていくことだろう。

  • 1

オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック! オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!
  •