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ハイブリッド車の「回生ブレーキ」

- Text:
- 岡本幸一郎
- Photo:
- 原田淳/トヨタ自動車株式会社
「回生ブレーキ」とは
「回生」という言葉は、「生き返る」ことを意味する。「回生ブレーキ」とは、本来はブレーキ動作によって運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、大気中にて消失してしまうところを、電気エネルギーに変換し、再び動力源として回収し、蓄積する仕組みのことだ。

この一連の流れには、電気モーターの存在が欠かせず、ハイブリッド車や電気自動車に使われている。ほかにも回生ブレーキを利用したものに、エレベーターや、地下鉄など路面電車など比較的短い間隔と、低めの速度で運行される電車、そして電動アシスト機構付きの自転車などがある。これらのほうが実用化ははるかに早く、むしろ自動車は後発である。
電気モーターと発電機は表裏一体で、電気を流せば回転エネルギーが得られるが、反対に回転エネルギーを与えれば、電気が発生する。
回生ブレーキは、後者の性質を利用するものであり、通常は駆動力として用いるモーターを発電機として作動させ(別体としたものもある)、発生した電気を回収してバッテリーを充電することである。
回生ブレーキによって回収された電気エネルギーは、エンジンスターターやモーターを駆動させる電力として、再び用いることができる。
回生ブレーキで得られる電力は、電圧・電流の変動が大きく、効率よくバッテリーに蓄えることが難しい。その対策として、キャパシタ(蓄電池)をバッテリー付近に設置し、バッファ(一時的に保存する)として用いることが多い。
また、減速時にモーターの回転抵抗を制動力として利用することで、フットブレーキなど通常の摩擦による機械式ブレーキの補助的な制動力を得ることができることも回生ブレーキの副産物で、エンジンブレーキとともに機械式ブレーキの負担を軽減させることができる。
フットブレーキ操作時には、回生ブレーキと通常の油圧ブレーキが協調制御して、その配分をコンピュータが計算し、最も効率よくエネルギー回生が行われるよう、かつ自然なフィーリングで制動できるよう、双方のブレーキを巧みにコントロールする。Bレンジにするとより回生が強くなり、多くの電力を回収できるようになる。
ホンダでは、減速時は吸排気バルブを休止させることで、ポンピングロスなどエンジンの抵抗を低減し、より高効率なエネルギーの回収を図っている。
ただし、エンジンとモーターを機構的に切り離せないパラレル方式では、燃焼を止めてもエンジンブレーキの分だけエネルギー回収の効率が落ちるのは否めない。
また近年では、電気自動車やハイブリッドカー以外の一般的な自動車においても、オルタネーターを減速時に高負荷で稼働するよう制御して、燃費の向上を図った車種も見られるようになってきたが、これも回生の一種といえる。
ご存知かと思うが、モータースポーツ界においても、すでに回生ブレーキは導入されており、2009年からはF1に運動エネルギー回収システム「KERS(Kinetic Energy-Recovery System)」が導入された。
現時点では、回生ブレーキの原理を利用して、キャパシタにエネルギーを保存する方式と、余った運動エネルギーをフライホイールに蓄える方式がある。


































